施術概要
一見同じに見える茶褐色の「しみ」であっても、最もよく見られる加齢性色素班から、怪我やニキビの痕の炎症後色素沈着、学童期から生じる雀卵斑(そばかす)や一筋縄では行かない肝斑、さらには日光角化症といった前癌病変に至るまで、その臨床像は多彩を極めます。
「しみ」の治療は、正しい診断のもと適切な治療法を選択することが大切です。日頃の正しいスキンケア(保湿・摩擦を避ける・遮光)が治療の大前提となり、食生活やストレスへの対応も含めた日常生活をトータルで見直していくことが基本となります。
1. AFT-SR光治療
お顔の部分的あるいは全体的な「くすみ」や、小じわや肌理の改善など総合的なお肌の若返り、あるいはメンテナンスとして、Alma Lasers社が独自に開発したAFTパルス光技術を応用したAFT-VPモジュールによる光治療があります。
照射の際は、弾くような軽い衝撃と熱感があり、施術後数時間はお肌の火照りとピリピリ感が残りますが、施術直後からお化粧が可能です。原則として麻酔は不要ですが、お求めに応じて麻酔クリームを使用します。施術時間はお顔全体で20分程度です。ダウンタイムは施術後数時間やや火照った感じがする程度で、合併症も稀ですが、過度の施術により色素沈着を起こすことがあります。
2. Qスイッチ・ヤグレーザー
お肌の色素トラブルに対するレーザー治療は、美容診療を支える大きな進歩の一つです。当院では1064nmと532nmの2つの波長を持つQスイッチ・ヤグレーザーを採用しており、照射する総エネルギー量やパルス幅を調整することで、さまざまな「しみ」に対して正常なお肌の構造を保ちながら選択的に治療することが出来ます。加齢性色素班の治療は基本的に一回で終了しますが、術後スキンケアをベースに、内服薬やメディカルコスメ製品を併用して定期的診察を行いながら、3か月程度の間隔を目安に何度か照射が必要な「しみ」もあります
レーザー照射の際は弾かれたような衝撃があり、麻酔は治療範囲によって麻酔テープかクリーム麻酔を使用します。所要時間はショット数によりますが、例えば一円玉大の「しみ」の治療は5分程度で終わります。ダウンタイムは2週間ほどであり、治療後は炎症をおさえ「刺激」と「日光」を避けるスキンケアが必須となります。
4. プラセンタ療法
「プラセンタ(placenta)」とは胎児の発育に必要不可欠な胎盤のことであり、感染のない健康なヒト胎盤より精製された特定生物由来製品(ラエンネック®、ラエンネックP.O.®、セルセラ®)を投与する治療法を「プラセンタ療法」といいます。
多様なアミノ酸や成長因子を初めとする生理活性物質を有効成分として含んでおり、組織呼吸促進作用、創傷治癒作用、抗疲労作用など様々な効用を持つことが知られています。もともとは肝機能障害や更年期障害に対する治療薬として使用されていましたが、美肌やアンチエイジングにも優れた効果を発揮することが報告されるに至り、現在の美容診療では代表的な治療法のひとつとなっています。
定期的な注射投与のほか、内服用プラセンタ(ラエンネックP.O.®、セルセラ®)の処方も承っております。特定生物由来製品であるため、使用にあたっては同意書と使用記録が必要となりますことを予めご了承ください。注射部位の疼痛や発熱・発疹・掻痒感など軽度の過敏症といった通常の薬剤でも見られる副作用の可能性がわずかにありますが、現時点で未知の感染症など重大な問題は報告されておらず、製造から使用に至る安全性は非常に高いと言えます。
5. メディカルコスメ
当院ではJMEC社のメディカルコスメ製品をご提供しており、日々のスキンケアからレーザー治療後の肌のお手入れなどにお勧め致しております。詳しくはJMEC社ホームページをご参照ください。