施術概要
かつては「豊胸術」と言えば美容外科領域を代表する治療のひとつでしたが、近年の日本人女性はバストサイズが著しく向上していることもあり、現在ではサイズアップのみに留まらず、そのニーズは多岐にわたる印象があります。美しいバストは女性美を象徴するものであり、当院では東北大学形成外科乳房チームの協力のもと、豊胸術をはじめとしたバストの美容外科をご提供しております。
1. バストアップ 【内視鏡手術】
Motiva社製を中心とした、高品質のシリコンジェルインプラントを挿入する方法を採用しています。ご希望されるサイズと術前のバストの状態に応じて、適切なインプラントを選定することが大切になります。切開は乳房下あるいは腋窩から行いますが、腋窩アプローチでは基本的に内視鏡を使用します。
インプラントの挿入は原則として大胸筋膜下へ行っています。これは乳腺下や大胸筋下と比較して、インプラントのズレや大胸筋の収縮に伴うインプラントのいびつな変形を避けることができ、より自然なバストアップが可能となることが大きな利点です。
手術は全身麻酔で行っており、手術時間は両側で2時間程度、ダウンタイムは2週間を目安としてください。起こり得る合併症として、術後血種や感染のほか、インプラント周囲に硬い瘢痕組織を形成するカプセル拘縮がありますが、現在のインプラントはカプセル拘縮を予防する工夫が凝らされており、その頻度は稀です。対応としては保存的加療が中心となりますが、挿入したインプラント摘除を要する場合があります。
2. ニップルやシェイプアップ
ニップルをキレイにしたい場合(乳頭・乳輪形成術など)や、バストをシェイプアップしたい場合(乳房縮小術・吊り上げ術など)につきましても、東北大学形成外科乳房チームの協力のもと診療を行っております。どうぞお気軽にご相談ください。
いずれも治療も、目標とするバストに向かって、現在ある組織を切除し、形態を整えるべく固定する手術となりますが、より自然かつより傷痕が目立たないよう、手術デザインが重要となります。また乳房には女性美の象徴としての機能のほか、授乳という大切な機能があり、乳腺および乳管の機能温存を常に念頭に置く必要があります。ですので、授乳を今後要することが想定される方につきましては、治療を断念、ないしは延期することをお勧めする場合もございますので、予めご了承ください。
手術時間およびダウンタイムは、主に組織の切除量に比例します。最も高侵襲な乳房乳輪縮小術の場合、全身麻酔手術となり両側で3時間程度、ダウンタイムは2週間程度を見て下さい。起こり得る合併症として、術後血種や感染のほか、乳腺乳管の機能障害が挙げられます。