診療概要
人工透析を受けるうえで、適切な「ブラッド・アクセス」を用意することは非常に大切ですが、そのなかでも代表的な「ブラッド・アクセス」である「内シャント」を、顕微鏡下血管吻合術を応用して行っております。
良い「内シャント」とは、必要十分な量の脱血を行えることが最も重要である一方、逆にシャント量過多による「スティール症候群(末梢虚血)」や「静脈高血圧症(末梢うっ血)」、さらには「シャント瘤」といった合併症を可能な限り回避することが重要となります。そのため、使用する血管や吻合方法(位置と吻合径など)を適切に選択する必要があります。
当院では、機能面と整容面のバランスに優れた「内シャント」をご提供することを目標に、①手首の位置で橈骨動脈と橈側皮静脈を端側吻合する方法 ②肘の位置で上腕動脈と正中皮静脈を端側吻合する方法、の二通りの「内シャント造設術」を主に行っています。これに加えて、③上腕動脈の一定区域を皮下の浅い層に移動させ固定する「上腕動脈表在化手術」も、状況に応じて併用しています。手術は局所麻酔のもと1時間30分を標準とする「日帰り手術」となり、抜糸は2週間後に行っています。
各透析医療施設様からのご依頼に応じ、「初回造設」からシャント不全により経皮的血管形成術(PTA)を繰り返している方の「再造設」まで、専門医院の機動力を活かし、即日対応も含め速やかに対応させて戴きます。