形成外科は、体表面のあらゆる「形の変化」を診療対象としています。先天性疾患としては、「唇顎口蓋裂」を初めとする顔の変化、「埋没耳」「小耳症」を初めとする耳介の変化、「多指症・多趾症」を初めとする手足の変化、などが代表的なものとして挙げられます。

先天性疾患は「適切な時期に適切な診療」を受けることが何よりも大切となります。ですから指摘を受けた場合は、様子を見ず早めにご相談戴くことをお勧め致します。例えば「唇顎口蓋裂」では、唇裂の手術は生後3か月を目途に行われるため、それに先立っての授乳指導やテーピングなどによる矯正指導を考えると、治療は「生まれてすぐに」始まると考えて戴いた方が良いでしょう。

また先天性疾患の診療は、一人の専門家だけではなく多数の専門家が参加する、いわゆる「集学的治療」を要することが一般的であり、また診療対象期間も長期（基本的に成人するまで）に及びます。こうした理由から先天性疾患は、一部を除き原則として大学病院やこども病院をはじめとする基幹医療施設へご紹介させて戴きます。