診療概要
身体にはあらゆる「きず」を自然に治そうとする力があります。しかしながら、ただ自然治癒に任せる治療では、治癒までに数か月~年単位の大変長い期間を要する場合があります。治癒するまでに感染などを起こして「きず」が悪化すれば、重症の場合は敗血症などにより生命の危険に晒されることもあり、そこまでは行かなくとも、幅広い目立つ傷痕が残ったり、顔の表情や身体の動きに障害が残ったりすることがしばしばあります。ですから、どんなに軽いものであっても、「きず」の初期診療はとても大切になります。
形成外科で担当する外傷は、主に身体の表面の「切り傷」「擦り傷」「やけど」「陥入爪」や、顔を中心とした「骨折」、さらには表面の「きず」で治癒が遅れ「皮膚潰瘍」となったものや、「きず」が元の範囲を超えて広く盛り上がり、頑固な痛みやかゆみなどの症状が続く「ケロイド」などが挙げられます。
現在の形成外科診療では、「きず」の状態に応じて「軟膏」や「創傷被覆材」を適切に選択しながら、なるべく「保存的」に治療する方針が基本となります。しかしながら「きず」の状態によっては、機を逸せず「洗浄・縫合処置」や「手術」を行う方が良好な結果を得られる場合も多く、「きず」の状態とご本人の志向やライフスタイルに応じた適切な治療方針をご提案出来ることが、形成外科医にとっては基本中の基本であり、またウデの見せ所となります。
「きず」はどれ一つとして同じものはなく、当院ではお一人お一人について、またそれぞれの「きず」の状態に応じて、最も適切な治療をご提供致します。