水沢形成外科医院

TEL:0197-47-4700 FAX:0197-47-4701 休診日:木曜・日曜午後・祝日 診療時間:9:00~12:00 14:00~18:00

診療概要

ささまざま原因により「上まぶた」が挙げ難くなり、正常な視界(特に上方視界)を確保し難くなっている状態を「(上)眼瞼下垂症」といいます。最も多い原因としては、加齢、コンタクトレンズの長期装用や、アレルギー性結膜炎などで目を擦るクセがあるなど外力が繰り返し加わることなどにより、上まぶたを開く筋肉の付着部(上眼瞼挙筋腱膜)が伸びたり外れたりする「腱膜性眼瞼下垂症」があります。加齢によるものでは上まぶたの皮膚が余って弛んでくる「眼瞼皮膚余剰症」を通常伴います。また、筋肉の機能が正常で「眼瞼皮膚余剰症」を主な原因とする眼瞼下垂症もよく見られます。近年では未成年や若い方も増えており、特にアイプチ・アイテープを長期常用されている方が多い印象です。

このようなタイプの「眼瞼下垂症」で併せて問題となるのは、頑固な「頭痛」や「肩凝り」などの症状に悩まされる原因となることでしょう。「頭痛」や「肩凝り」で神経内科や脳神経外科、あるいは整形外科などで一通り検査をしたものの明らかな原因が見当たらない場合、この「眼瞼下垂症」がその原因となっているケースが非常に多く、治療を受けられた90%を超える方の症状が改善したとの報告もあります。

治療は局所麻酔での日帰り手術であり、顕微鏡下の手術となります。障害された眼瞼挙筋腱膜を元の位置に固定し直す「腱膜固定術」と、余って弛んでいる皮膚を一部取り除く「余剰皮膚切除術」が中心となります。手術時間は両眼で2時間程度で、抜糸は約1週間後に行います。

その他の原因としては、腫瘍や外傷などを原因に顔面神経や動眼神経が麻痺することによる「麻痺性眼瞼下垂症」と、上眼瞼挙筋の発育不全を主な原因とする「先天性眼瞼下垂症」があります。特に短期間で片方だけ進行する眼瞼下垂症は、背後に重大な疾患が潜んでいないか、注意深く検査を行う必要があります。いずれも治療は、太ももの外側から採取した筋膜(大腿筋膜)や人工物(ゴアテックスシート)を移植し、額の筋肉(前頭筋)の力を利用して開瞼を改善させる「筋膜移植術」を行います。